LEARN
ECOLOGY
サメの生態について
-
サメとは?
#骨は全身軟骨!
#ほっぺたにエラがある
#500種以上の仲間たち
サメとは?
「サメ」と聞いて、何を思い浮かべますか?サメは人を襲うというイメージがありますが、
実際は人を襲うことは滅多にありません。このページではサメについてもっと知ることが出来ます。サメは軟骨魚類、という種類の魚の仲間です。軟骨魚類とは、体全身の骨が軟骨でできている
魚の種類のことです。よく似た仲間にエイもいますが、見分け方はほっぺたにエラがある方がサメ、お腹側にエラがあるのがエイです。水族館で見分けてみて下さい。
サメの仲間はなんと500種類以上!サメによって姿も生態も全く違います。
お気に入りのサメを探してみましょう! -
サメの歯・肌
#エサによって歯の形が違う
#エスカレーター式の歯
#サメ肌
#体にも歯?
サメの歯
サメには鋸歯と呼ばれる鋭い歯があり、獲物を捕らえたり、切り裂くために最適化されています。
歯は絶えず生え変わり、効果的な狩猟を可能にします。また、サメの歯は生え替わることも大きな特徴で、エスカレーター式に新しい歯が奥から成長してきます。
そのため、サメは一生涯にわたって獲物を捕食することが出来るのです。サメの歯は種類、食べる餌によって形が異なり、例えば オキアミを吸い込んで食べるジンベエザメは米粒のように小さな歯で、歯は使いません。 一方で貝類や甲殻類を歯で割って食べるネコザメの歯は平らになっています。一方、サメの肌はまるで歯のような小さな尖った鱗で覆われ、摩擦抵抗が少ないため、水中での 滑らかな移動をサポートします。この特殊な鱗は抗菌作用もあり、傷ついても病気などの感染を 予防します。触ってみるとザラザラとしていて、うろこの名前は「楯鱗」(じゅんりん)といいます。
-
エサの食べ方
#サメは電気を感じるらしい
#アゴが飛び出す!?
#サメにも好き嫌いがある
エサの食べ方
サメのエサの食べ方には様々な仕組みがあります。頭がハンマーのような形が特徴のシュモクザメ類は、 見えないエサを探し出すことができるといいます。「ロレンチーニびん」という器官を持っていて、生物の持つ 弱い電気を感じ取ることができ、砂の中の獲物を探し当てて捕食することができるそうです。
また、多くのサメは口が下向きについているため、上顎を前に突き出すようにして獲物を捕らえます。
ジンベエザメなどの大きなサメはプランクトンなどの小さなエサを食べますが、その方法は周りの海水ごと 吸い込み、「鰓板」(さいばん)とよばれる、プランクトンをこしとることの出来る器官を使って海水からエサだけを こしとって食べることができます。残った海水はエラから出ていくようになっています。
-
サメの性・交尾
#オスメスの見分け方はおなか
#サメは交尾で子供をつくる
#だから漢字で鮫と書くらしい
サメの性・交尾
サメのオス・メスは簡単に見分けられるようになっています。 オスにはしりびれの付け根にクラスパー(交接器)という、人間でいうおちんちんが2つついています。 逆にメスにはついていません。エイも同じ方法でオスとメスが見分けられます。
サメはなんと、人間と同じように、交尾で子どもを作ります。 そのため、漢字でも、「交」尾をする「魚」と書いて、「鮫」と書きます。
-
卵・赤ちゃん
#サメの卵もあれば
#おなかで育つサメもいるし
#へその緒があるサメも?!
卵・赤ちゃん
サメの卵・赤ちゃんの形態は非常に多くの種類があります。まず、サメの中でも大きく分けて、卵から生まれてくる「卵生」(らんせい)と、 人間のようにお母さんのお腹の中で育ち、ある程度成長してから生まれてくる「胎生」(たいせい)という繁殖方法の2つがあります。その中に さらに様々な種類があるので、一部紹介します。
まず卵生について。卵もサメによって色々な形があります。例えばネコザメの卵はねじのような形をしていて、海底にねじ込むように産み落とされます。 ねじのような形のおかげで、海流などに流されづらいという利点があります。
次に胎生について。お母さんのお腹の中で卵が育ち、孵化してから産み出されるタイプ、お母さんが赤ちゃんのためにエサとして 卵を産み、赤ちゃんがそれを食べて育つ、もしくは兄弟同士で共食いして成長するタイプ、人間と同じようにお母さんのへその緒から栄養をもらって 育つタイプなどがあります。
-
サメは意外と...
#骨は全身軟骨!
#イメージで決めつけてない?
#「推し」のサメを見つけちゃおう!
サメは意外と...
ここまでサメの生態について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか? 「サメ」といっても様々な種類がいて、みんなちがった特徴もあって、知れば知るほど面白い生き物ですよね。
映画の影響で「サメ=怖い」というイメージを持たれている方は多いと思いますが、 怖いだけじゃないサメの魅力に気づいていただけたら嬉しいです。
図鑑のページでは現実のサメをイメージした「ドットシャーク」を紹介しています。 ぜひお気に入りのサメを探して、実際に水族館でサメのことを観察してみて下さい。 きっと、色々な発見があると思います!!
PROBLEM
サメを取り巻く問題について
-
サメ消滅の危機?
#70%のサメが既に消えている?
#1年で数千万匹
#1時間に1万匹
サメ消滅の危機?
世界中の海にいるサメ。実は消滅の危機が迫っています。
サメの個体数は50年間で70%以上減ってしまったと言われています。 さらに、IUCN(国際自然保護連合)が発行している、絶滅の危機に瀕している生物種を評価・分類したリスト 「レッドリスト」によると、世界のサメ・エイの37%が絶滅危惧種に指定されているそうです。
なぜここまでサメが減ってしまっているのでしょうか。一緒に考えていきましょう。
-
生態系での重要性
#「海の王者」であるサメ
#生態系ピラミッド
#海のバランスのキーパーソン
生態系での重要性
そもそも、なぜサメがいなくなってしまうことが問題なのでしょうか。
その答えはサメが海の生態系の頂点に位置する存在であるからです。
サメは他の生物を捕食する捕食者です。彼らがいなくなると、サメが食べるはずであった生物が増え、さらにその生物が食べる餌は、 サメが食べるはずであった生物が増えたことによって食べられ尽くしてしまい、いなくなってしまいます。 そうすると海の生態系のバランスが崩れ、他の生物まで絶滅してしまう可能性があります。 そのため、サメは生態系の中でも特に重要な存在であると言えます。
-
シャークフィニング
#フカヒレ漁とサメの乱獲
#ヒレがないサメが海にいる?
#多くの国では禁止だけど…
シャークフィニング
それではどうしてサメはいなくなってしまっているのでしょうか。 実は、私たち人間が原因となってしまっているのです。
「シャークフィニング」という言葉を聞いたことはありますか?
シャークフィニングは、サメのひれだけを切り取り、残りの体を海に捨てる 非倫理的かつ違法な漁業の方法です。主にサメのひれが高い価値を持つこと から、アジアの一部の国で特に需要があります。 この需要は、主にフカヒレスープとして使われるためです。
ひれを切り取られたサメは生きたまま海に捨てられてしまいます。そのため、生きていたとしても泳ぐことは出来ません。 結果、海中で生き続けることが難しくなり、死に至ることがあります。
他にも、シャークフィニングは、一部のサメ種に対して過度な漁獲を引き起こし、種の個体数を減少させる可能性があります。
国際的には、シャークフィニングは非常に批判され、多くの国で法的に制限されています。 しかし、密漁や法執行の課題により、未だに問題が残っています。サメの保護と持続可能な漁業の推進が、 シャークフィニングの問題に対処するために重要です。
-
ゴーストギア
#海ゴミ問題とサメ
#漁具がサメたちに絡まる
#ゴミはゴミ箱に捨てよう
ゴーストギア
他にも、サメが減少してしまう原因となっているものがあります。「ゴーストギア」です。
「ゴーストギア」は、主に海洋で発生する環境問題の一つで、放置または失われた漁業用具、 特に網やトラップなどが、そのまま水中に残されることを指します。これらのギアはしばしば 「ゴーストネット」とも呼ばれ、そのまま水中に漂流するか、海底に沈んだままとなります。
何が問題かというと、これらが絡まったり閉じ込められたりすると、動きが制限されたり、長期間絶食状態に 置かれることによって、生き物が死亡することがあります。
これはサメやウミガメなどの体が大きな生き物ほど影響を受けてしまうそうです。
さらに、ゴーストギアは海洋環境にも悪影響を与えます。放置された網やトラップは、サンゴ礁や海底の植物と絡むと、海底の生態系を 破壊する可能性があります。また、プラスチックなどの素材からなるギアは、マイクロプラスチックの発生源ともなります。
国際的な取り組みや地域ごとの規制が進んでおり、ゴーストギアの問題に対処しようとする努力が行われています。 これには、放置されたギアの回収や、サステナビリティを重視した漁業の促進などが含まれます。
-
サメを守るために!
#私たちに出来ること
#ポイ捨てをしないこと
#「知ること」がとても大切!
サメを守るために!
少し暗いお話でしたが、サメたちや、海の現状を知ることで、自然に対しての意識が変わるのではないでしょうか。 私たちにもサメを守ることは出来ます。街でもポイ捨てをするとゆくゆくは海に流れ出てしまいます。なので、 1人1人がポイ捨てをしないことで海ゴミ問題をなくしていくことができるかもしれません。
何より大切なのは「知ること」です。ここではドットシャークたちとサメについて学んできましたが、 知らないことや意外だったことなど、きっと「発見」があったのではないでしょうか。
サメに限らず、気になったこと、少しでも興味を持てることから、「知ること」を始めてみませんか?
ぜひ、このサイトを開きながら、お近くの水族館に足を運び、実際にサメを見て、 もっとサメを好きになってくれる人が増えたら嬉しいです。
ドットシャークたちはいつでもあなたの好奇心の船出を後押しします!!
VON VOYAGE!!